2019年8月、NYが誇るアート街チェルシーのジョージ・ビリス・ギャラリー(George Billis Gallery)にて、丹羽名甫氏の個展が開催されました。
■丹羽名甫個展「Resonance de l’encre 墨の響き」
会期:2019年8月13日(火)~17日(土)
会場:ジョージ・ビリス・ギャラリー
開催地となったチェルシー地区は、著名な芸術家や音楽家、作家が好んで滞在することで有名なチェルシーホテルやアメリカの近代・現代美術作品の充実したコレクションで知られるホイットニー美術館、高架鉄道の跡地に造られた空中庭園・ハイラインなどが点在する大人気の観光スポット。世界有数のアート街として絶えず多くの観光客で賑わっています。
本展覧会において丹羽氏は、想定を超えた大きな災害を経験し、そこから立ち直ろうとする人々の希望の光を表現した「日は昇る」シリーズをはじめ、力強い意志と深い思いやりに包まれた名作の数々を展観。洗練された美意識と、選び抜かれた素材で、訪れた人々を香り高いアートの世界へと誘いました。
■ゲストコメント:フラン・カウフマン(現代アートディレクター/キュレーター)
「作品の随所にみられる“余白”は、我々鑑賞者を迎え入れ、思考させ、そして強く惹きつけます。筆遣いには一貫性があり、それらは伝統的な日本の書道に基づくものである一方、世界で通用する風格を湛えているようにも感じられました。墨の濃淡も独特で、なかでも春を題材とした作品に使用された薄いグレーからは、その季節ならではの優しさやフレッシュな空気、移り行く自然の情景のイメージが広がりました。
丹羽先生の作品には“自由”が見えます。伝統を重んじつつ、新たな芸術の創造に向かいチャレンジを続ける姿に感銘を受けました。」
■来場者の声(一部抜粋)
・ 素晴らしい展覧会! 特に自然界における「時間の流れ」をクリアに感じました。“静寂に Ⅰ” が一番のお気に入りです。個々の深層心理に深く潜っていくような…。
・ 金、青、黒の線が重なり合い、美しい風を表現していると感じました。
・ 3連作の作品がエレガントで素晴らしいです。日本の筆の動きと色彩の美に魅せられました!
・ どの作品にも、言論の自由がみてとれます。すべての線に感情が宿っていることは明白で、各構造がそれぞれ違った感情を司り、赤からは力強さを、青からは柔らかさを、黒からは心地良さを感じました。金色にはまた一味違ったエネルギー、言葉では言い表せない価値があるようです。すべての作品に「顔」があり、それぞれの「心」の状態が表現されていると感じました。
・ ほんの僅かな筆運びで、大きな世界を表現できるということは実に素晴らしい。“流れて ―昼下がりに―”の、午後の光を表すような絶妙な色合いが非常に興味深かったです。
・ 様々な感情が沸き上がってきました。作品同士が会話をしているようです。
・ この展覧会に来られてよかった。あなたの素晴らしいギフト(才能)を我々にシェアしてくれて本当にありがとう!
・ 余白の使い方が好みです。色数の少ない部分にも並々ならぬパワーを感じます。
・ 単純でありながらも洗練されていて、とても興味深い。西洋のモダンアーティストやコンテンポラリーアーティストを彷彿させる一方、ほかの誰とも違う独自性を感じました。素晴らしい作品をありがとう!
取材・撮影/一般社団法人 ジャパンプロモーション
文責/制作局 三田珠理